空いた電車が五台ばかり、燕が行抜けそうに
がらんとしていた。
扇を腰に、がたがたと格子を開けると、汚い二階家の、上も下も、
がらんとして、ジイと、ただ、招魂社辺の蝉の声が遠く沁込む、明放しの三間ばかり。
そして、人けのない
がらんとした教室の運動場に面した窓枠に、黒い詰襟の洋服がだらりとかかっているのが始終だった。
一番後に押いつた家は、りつぱな酒場であつたが、家人は逃げてしまつて家の中は
がらんとしてゐた、酒場の窓から青いお月さまの光りが室にいつぱい射しこんでゐた。
食堂車の中は
がらんとして、客はたった一人しかいない。
広い、
がらんとしたお寺の座敷で、私は、焼酎なるものをはじめて飲んだ。