けれども、若し鶏の音が、古代の歌謡に、ちつとでも、
きぬ/″\の怨みを含めて居るとすれば、其には、もつと/\大きな原因から来て居るのである。
その平和になって、文事ばかりになると、河原の落書にまで「きつけぬ冠上の
きぬ、持もならわぬ笏もちに、大裏交りは珍らしや」と愚弄されるのも癪に触る。
漫々と流れてゐる川は、變化に乏しく、目立たないやうだが、親しむと盡
きぬ滋味を藏してゐる。
偖悪魔十二の中のイスカリオテと称ふるユダに憑
きぬ。
が、伐れども盡
きぬ自然の富は、終に國民をし、木材以外の材料を用ふるの機會を得ざらしめた。