昨年の夏帰った時には、庭一杯に色とりどりの花が咲き乱れ、塀の
ぐるりには母の植えたという林檎の苗木や山葡萄の蔓がひとしお可憐だった。
……よく、言う事で——佐渡ヶ島には、
ぐるりと周囲に欄干があるか、と聞いて、……その島人に叱られた話がある。
彼は威張りかえって肩を張って、前の山、後の山、右の山、左の山、
ぐるりと一廻転して女に見せて、
良平は一足踏み出したなり、大仰に
ぐるりと頭を廻すと、前こごみにばたばた駈け戻って来た。
が、毛利先生はそう云うと同時に、また哀願するような眼つきをして、
ぐるりと教室の中を見廻すと、それぎりで急に椅子の上へ弾機がはずれたように腰を下した。
ぐるりと回って帰ってみると、伝六はまだくろとしきりに押し問答をしているさいちゅうなのです。
起きている窓はなく、深夜の静けさは暈となって街燈の
ぐるりに集まっていた。
蛙は、空を仰いで、眼玉を一つ
ぐるりとまはして、それから又、大きな口をあいて云つた。
家の
ぐるりのいけ垣を吹いて、風がとおっていくとき、風はそっとばらにむかってささやきました。
構内は広くて、てっぺんにはガラスのかけらを漆喰に植えつけた、高い、丈夫な煉瓦塀が、その周囲を
ぐるりと取りまいていた。