其夜より娼婦の如くなまめ
ける人となりしをいとふのみかは
「平四郎たちまち追い至り、『老爺、老爺、小僧はどちへ行ったぞ』と尋ね
けるに、伝三もとよりしたたかものなりければ、『あの道を走り行き候』とぞ欺き
ける。
何でも天地開闢の頃おい、伊弉諾の尊は黄最津平阪に八つの雷を却
けるため、桃の実を礫に打ったという、——その神代の桃の実はこの木の枝になっていたのである。
（俊寛）いとど思いの深くなれば、かくぞ思いつづけ
ける。
われ、その時、宗門の戒法を説き、かつ厳に警め
けるは、「その声こそ、一定悪魔の所為とは覚えたれ。
彼等は、管絃を奏づる公子を見、詩歌を弄べる王孫を見、長紳を※
ける月卿を見、大冠を頂
ける雲客を見たり。
その男に肌身を任せるのは、不如意な暮しを扶
ける為に、体を売るのも同様だつた。
兎に角彼等の伝へたクリストに比べれば、後代の伝へたクリストは、——殊に彼をデカダンとした或ロシア人のクリストは徒らに彼を傷
けるだけである。
そは心たしかに侠気ある若者なりしがゆえのみならず、べつに深きゆえあり、げに君にも聞かしたきはそのころの源が声にぞあり
ける。
