「こぼれた」の例文

「こぼれた」の書籍での例文

彼の眼からはボロボロと涙が二三滴こぼれた。

初往診

小酒井不木

食事も喉を通らず、たまたま茶碗をとりあげても、鶴松を思ひだすと茶碗をポロリととり落してこぼれた御飯へ顔を突つこみギャアと泣いて俯伏してしまふ。

我鬼

坂口安吾

らっぱをふく口元に涙がはてしなくこぼれた。

ああ玉杯に花うけて

佐藤紅緑

その舌の尖を摺って、野茨の花がこぼれたように、真白な蝶が飜然と飛んだ。

星女郎

泉鏡花

日あたりの納戸に据えた枕蚊帳の蒼き中に、昼の蛍の光なく、すやすやと寐入っているが、可愛らしさは四辺にこぼれた、畳も、縁も、手遊、玩弄物。

海異記

泉鏡花

しかし五歳の男児と三歳の女児の未だ教の何たるかを知らない者まで連座するのを見ると涙がこぼれる」と云うと、角蔵は、「何と云う事を云われる。

島原の乱

菊池寛

わずかに束ねたる頭髪は、ふさふさと枕に乱れて、台の上にこぼれたり。

外科室

泉鏡花

人の足音がし、急いで懷に入れた紙の袋から懷の中に鹽がこぼれたらしい。

すかんぽ

木下杢太郎

私は散らかつた机の上に重ねた紙を置き、ところどころ刄のこぼれた小刀で五本の鉛筆を交る交る削つた。

不穏

石川啄木

然しあの黄ばんで、戰いて散りこぼれた月日の落葉は一體どうなつたのだらう。

落葉

上田敏

「こぼれた」のオンラインでの例文

そこでジュースを倒してこぼれたら…それだけではありません。

apricot

一度は死ぬまで一緒にいたいと思った相手の顔を忘れてしまうなんて、、そんな気持ちと、一緒に涙がこぼれた。

Libertas

気に入ってもらえると嬉しいな」そんな薫の明るい笑顔につられて、咲希からも自然と笑みがこぼれた。

yuca.

ボロボロ涙がこぼれた。

シナモン

ストーブの暖気が逃げてしまわぬように障子をぴたりと閉じると、息が白くこぼれた。

肺つべ

広がる星空のパノラマ、願い切れない程の流星に笑みがこぼれた。

SIN

家で一人食事をする時間も夫や娘もご飯食べてるかな？と思うと自然に笑みがこぼれる。

横山小寿々

　「気に入ったのはありそうかい？」　そんな様子の妻の様子に思わず笑みもこぼれる。

プラム

けれど、美味しい日本酒にカニって幸せの何ものでもなく、「美味しいねぇ」とお互い、笑みがこぼれる。

くーや。

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