枯れても
しがみ付いている貝細工草や百日草のような花に却って涙がこぼれる。
その反対の、山裾の窪に当る、石段の左の端に、べたりと附着いて、溝鼠が這上ったように、ぼろを膚に、笠も被らず、一本杖の細いのに、
しがみつくように縋った。
箱車の上に、蒲団を何枚も重ね、その上に防空頭巾をかぶって、箱に
しがみついている老婦人があった。
丸窓に
しがみついて、後向きになっていた房枝が、あらあらしいこえで呼ばれた。
ただ、何か頸へずんと音を立てて、はいったと思う——それと同時に、
しがみついたのである。
ある個所に來ると心ある讀者は一字々々に
しがみ附かないではゐられなくなる。
若い農夫は激しく動悸する胸で、猟銃に
しがみつくようにして引き金に指をかけた。
熱っぽいお君の臭いにむせながら、日頃の持論に
しがみついた。
或時は山の法師の背に
しがみつき、或時は内の女房の髪にぶら下つてゐるのを見たと云ふ。
で、灰の白いのに
しがみついて、何しろ暖かいものでお銚子をと云うと、板前で火を引いてしまいました、なんにも出来ませんと、女中の素気なさ。