砂山を細く開いた、両方の裾が向いあって、あたかも二頭の恐
しき獣の踞ったような、もうちっとで荒海へ出ようとする、路の傍に、崖に添うて、一軒漁師の小家がある。
或る者はそれを知識の開明に帰し、或る者は勇
しき偶像破壊と呼び、モラールの名を無みすることは、ヤンガー・ゼネレーションの一つの旗号の如くにさへ見える。
嬉しく走りつきて石をあはせ、ひたと打ひしぎて蹴飛ばしたる、石は躑躅のなかをくぐりて小砂利をさそひ、ばらばらと谷深くおちゆく音
しき。
「菜の花や月は東に日は西に」「菜の花の中に城あり郡山」などいうのは、春げ
しきの中で、私が永久に保存したく思っている風景画である。
いと長々
しき繰り言をまだるしとも思わで聞きたる壮佼は一方ならず心を動かし、
かくて若き夫婦の幸
しき月日は夢よりも淡く過ぎたり。
甘く芳は
しき香も悪しからず、花の黄金色なせるも地にこぼれて後も見ておもむき無きならず。
この折にある人々折節につけて、からうたども時に似つかは
しき(をイ有)いふ。
玉
しきの都の中にむねをならべいらかをあらそへる、たかきいや
しき人のすまひは、代々を經て盡きせぬものなれど、これをまことかと尋ぬれば、昔ありし家はまれなり。