面白をかしくもない、どこと云つて心に
しみる何物もあるでもない。
顔に親切を見せないし、優しい言葉をかけてくれることも殆どないだけ、シンの親切が身に
しみるのだが、しかしとりつく島もない。
駅内の案内所が甚しく不親切で、旅先の心細さが身に
しみる。
今夜のかたき討は又近日と約束して、仙助と一緒にここを出ると、秋の夜の寒さが俄かに身に
しみるように覚えた。
月のない暗い空で、初秋の夜ふけの風がひやひやと肌に
しみるので、女房は薄い着物の袖をかきあわせながら路を急いだ。
枕に近く、髮に屆く蚊帳の感觸も身に
しみる心地がする。
窓の外が暗くなるのにつれ、沾めつた靴や外套の※ひが急に身に
しみる時分だつた。
やっと白い光に慣れると、こんどは眩しくって、眼に
しみるような劇しい痛みを感じました。
ことに時刻がおそければおそいほど、渡し船のさびしさとうれしさとがしみじみと身に
しみる。