ところが人間という物質としては再びこの世に戻って来たが、かつての優しい心根は天に昇ってまた帰す
すべもなかった。
門の外は嶮しい峰つづきで、眼さきも見えない闇夜にはどこへ追ってゆく
すべもない。
一たび戦争になるや、急転直下に蚤の発生が増大し、如何とも
すべからざるまでに至った。
「馬鹿者ッ、抜く
すべも知らぬとは何ごとじゃ、貴様われわれを愚弄いたしおるなッ」
しかし結局、彼はそんな人びとから我が儘だ剛情だと言われる以外のやり方で、物事を振舞う
すべを知らなかったのだ。
一、古来の律令を折衷し、新に無窮の大典を撰定
すべき事。
官吏、教師、商人としての兆民先生は、必ずしも企及
すべからざる者ではない。
徒らに賣卜者、觀相者、推命者流の言の如き、『運命前定説』の捕虜となつて、そして好運の我に與みせざるを歎ずるといふが如きことは爲
すべからざる筈である。