東北では気候が遅れるから、夏初め其少しく蕾を現はしたころ、木の葉はまだ
ちらほらとしか出ない。
眉をひそめさせるものが
ちらほら見えても、それを取巻く無数の眼は、むしろ頼もしく光つてゐるのが事実である。
一方では、見たところ、だいぶん活溌で男などは眼中にないやうな、或は却つてさまざまな男性で眼の中がいつぱいになつてゐるやうな近代娘が、都会には
ちらほらしてゐる。
そして其処は切りたつた崖になつて眼下に街の赤い燈火が
ちらほらと見えてゐた。
狭い往来の両側にはずっと芽をふいた生垣が続き、そのまた生垣の間には
ちらほら桜なども咲いています。
……その柳の下を、駈けて通る腕車も見えず、人通りは
ちらほらと、都で言えば朧夜を浮れ出したような状だけれども、この土地ではこれでも賑な町の分。
勿論、根を抜かれた、肥料になる、青々と粉を吹いたそら豆の芽生に交って、紫雲英も
ちらほら見えたけれども。
その頃、というと明治二十一年頃、えらい何も彼も西洋が流行った頃で、束髪が
ちらほら出かけていました。
伯林に
ちらほら街路樹の菩提樹の葉が散り初めたのは十日程前だった。