はじめは土塊だとさへ思はなかつたのだが、のろのろとそれが動きだしたの
で、気がついたの
である。
板張りの床に散らかつたのはコンデンスド・ミルクの広告
であらう。
今夜は久しぶりにアグニの神へ、御伺ひを立てるんだからね、そのつもり
でゐるんだよ。
さう
ではないと仰有つても、私にはよくわかつて居ります。
自分はこれを書いてゐる今
でも、君の悠然とした歩き方を思ひ出すと、もう一度君と大学の廊下に立つて、平凡な時候の挨拶
でも交換したいやうな気がしない
でもない。
そこに並ん
でゐるのは本といふよりも寧ろ世紀末それ自身だつた。
僕の遺産は百坪の土地と僕の家と僕の著作権と僕の貯金二千円のあるだけ
である。