いつの間にか、トチトチトン、
のんきらしい響に乗って、駅と書いた本所停車場の建札も、駅と読んで、白日、菜の花を視むる心地。
我々は、かうした世間から据ゑられた不自然な膳部に、
のんきらしく向ふ事が出来ようか。
革具と靴の店を出してゐる父は、不憫な息子のために、食ふ心配だけはさせないつもりでゐたから、彼は比較的
のんきに、自分の好きな道を撰ぶことができた。
道楽が半分暇つぶしが半分といふ、至極
のんきな商売で、狐光老はぶら/\、雨さへ降らなければ、毎日その車をひいて家を出かけて行つた。
「この御時節に、
のんきなお花見なんぞしていられるものか。
それでも旅へ出れば
のんきになって、若い奴を相手に面白くあるいて行きました。
ところが實際は決してそんな
のんきな事ではなかつた。
風がなかったので、その一つ一つが、いかにも
のんきに、フラフラ音もさせずに降っていた。