恋すればうら若けれ
ばかばかりに薔薇の香にもなみだするらむ
この溝は僕の知つてゐる頃にはもう黒い泥水をどろりと淀ませてゐる
ばかりだつた。
しかも僕の前後にゐるのは大磯かどこかへ遠足に行つたらしい小学校の女生徒
ばかりだつた。
しかし薄眼になつた猫はやはり背中を円くした儘、一切の秘密を知つてゐるやうに、冷然と坐つてゐる
ばかりだつた。
しかし姫君はさう云ふ変化も、寂しさうに見てゐる
ばかりだつた。
けれどもお民はその度ごとに、「はいさね、いづれ来年にでもなつたら」と好い加減な返事をする
ばかりだつた。
が、生活的には伊賀のやうに山の多い信濃の大詩人、一茶に伝はつた
ばかりだつた。
袴ではない
ばか馬だと西山がいったのを、清逸は思いだしたのだ。
そうして、それが取り返しのつかない、
ばかな事だったような心もちがする。
改札は
ばかになったような顔つきをしながら、それでもおめおめと切符に孔を入れた。