徳川期もまだ
ひどく末にならない時分の事でございます。
あいつはその留守の間、僕の所へ来ていたのだが、いよいよ戦争も片がつくと云う頃から、急に神経衰弱が
ひどくなり出したのだ。
折から、降りが、前よりも
ひどくなって、肩をすぼめて歩いていると、鼻の先からは、滴が垂れる。
酔った方の男は
ひどく相手の言ったことに感心したような語調で残っていたビールを一息に飲んでしまった。
それにもう一つは心臓が
ひどく弱ってしまって、一度咳をしてそれを乱してしまうと、それを再び鎮めるまでに非常に苦しい目を見なければならない。
ぼくの部屋の外で鳴いていると思ったポチがいつのまにかそこに来ていて、きゃんきゃんと
ひどく鳴いていた。
短くなってはいても、なんにもする事なしに一日を暮らすかと思えば、その秋の一日の長さが葉子には
ひどく気になり出した。
今は亡き、そのお袋というのは官吏の細君で、
ひどく気だての優しい女であったが、然るべく赤ん坊に洗礼を施こそうと考えた。