そのとき出入口の重い扉がぎいと内側に開いて、肥えた赭ら顔の紳士が、折鞄を片手に
ぶら下げて入って来た。
その紳士の胸のところには、黒い風呂敷に包んだ骨壺の箱ほどの大きなものを首から
ぶら下げていた。
彼女は水色の夏衣裳の胸にメダルか何かを
ぶら下げた、如何にも子供らしい女だった。
窓の外には往来の向うに亜鉛屋根の古着屋が一軒、職工用の青服だのカアキ色のマントだのを
ぶら下げていた。
しかし何をどうしても、鼻は依然として、五六寸の長さをぶらりと唇の上に
ぶら下げているではないか。
女持ちの金時計を
ぶら下げているだけでも、僕より遥に振っているからな。
あの長げえ仮橋のまん中に、提灯一つ
ぶら下げて置くだけじゃあ不用心だ」と、半七は顔をしかめた。
彼は半七老人で、あさ湯帰りらしい濡れ手拭を
ぶら下げながら、暖い朝日のひかりに半面を照らさせていた。
彼らはいずれも、古手拭と煙草道具と背負い繩とを腰に
ぶら下げていた。
従つて、岐阜提灯をヴエランダに
ぶら下げたのも、先生の好みと云ふよりは、寧、奥さんの日本趣味が、一端を現したものと見て、然る可きであらう。