「いえ、かねてお諭しで
もござりますし、不断十分に注意はしまするが、差当り、火の用心と申すではござりませぬ。
「見るにも耐えぬ拙作ながら、ほんの小手調べに綴りましたもの、ご迷惑で
もござりましょうがお隙の際に一二枚ご閲読下さらば光栄の至。
「成田殿のお言葉ではござりまするが、徳川御宗家におかせられましても、いまだかつて錦旗に対しお手向いしたことは一度
もござりませぬ。
しかも今日邂逅ったばかりの、赤の他人でござりまするがな……」——純八は幽に眉をひそめ「何か老僧のご病気に就き不審の点で
もござりまするかな?」
巡査さんに咎められましたのは、親父今がはじめてで、はい、もうどうなりますることやらと、人心地
もござりませなんだ。
粂「ヘエ、畏りました、何うも誠に面目次第
もござりませぬ」