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エクスピア、ゴーゴリ、ゲーテ、バルザック、スタンダアル、ドストエフスキー、チエホフ、ポオ、私の好きな作家はいくらもある。
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エクスピアは傑れた人間通であると同時に傑れた戯作者であり、ドストエフスキイは悩み高き思想家であると同時に途方もない戯作者だつた。
たとへばストラットフォオドの子供たちの為にお伽噺を書けと云はれたとすれば、シ
エクスピイアは多少の効果を欠いても、「テムペスト」をお伽噺に書直しさうである。
たとへばわたし自身などはゲエテとかシ
エクスピイアと云ふ文豪なるものに比べれば、文芸的素質はないと言つてもよろしい。
然しゾラ以前のバルザツクはひどく好きで、「勿論、バルザツクはシエ
エクスピイアよりもいゝ」と云つたので、英國人には餘り好まれなかつた。
われわれは
エクスタシイと同時にアンツウジアスムを生ぜしめる動的美に憧れたい。