例えばランプもあれば食器類もあり、帽子もあれば
ステッキのようなものもあるといった具合で、今日のように専門的に売っているのではなかったのです。
一メートルばかりの金属光沢をもった短い
ステッキを、防弾手袋をはめた片手に持っている。
と辻永が
ステッキを揚げて、後から跟いてくる私に注意を与えた。
黒無地の紬の重ねを着てハンチングを被り、
ステッキを持って旅に出かけたのである。
僕は秦皮樹の
ステッキを挙げ、O君にちょっと合図をした。
噛み砕いた鉛筆の末端の様に、先端のほうけた
ステッキに、小さな風呂敷を結えつけて、それを肩にひっ担いでいた。
パナマ帽に黒の上衣は脱いで、擁へて、ワイシャツの、片手には鶏の首のついたマホガニーの農民美術の
ステッキをついてゆく、その子の父の私であつた。
洋服と周衣氏は煙をはき
ステッキを振りながら向うの方へと立ち去っていった。
僕の前では君の弟が、
ステッキの先へハンケチを結びつけて、それを勢いよくふりながら「兄さん万歳」をくり返している。