それでお宅の方も診察所の方もすっかり抵当に取られて、月々の収入も大方は清水に取られてしまって、先生の方へは
ホンのポッチリしか入らないんですって。
そして其の頃にはまだ
ホンの噂話だけであった短波長無線電信の送信受信の実験にとりかかっていました。
妹は唇の
ホンの隅だけを動かして、冷い表情をかえしたきりだった。
それも、
ホンの一二分程の間で、しかも低い憂鬱な鳴り方であったが、その音が偶然便所に起きた検事の耳に入った。
樹木は堂の周囲にはないが、前方に差し交した杉の大枝が陽を遮っているので、早朝
ホンの一刻しか陽が射さず、周囲は苔と湿気とで、深山のような土の匂いがするのだった。