記事中の名料理人なるものは、どんなひとか知らないけれど、とにかく、
一世に鳴った人物であってみれば、料理の好きな人間であったに違いなかろう。
本当にそんな新聞ができたら、恐らく
一世をフウビするでせう。
……さればこそ
一世の大海賊赤格子九郎右衛門も遁れることが出来ず、御身達の手に捕えられたのじゃ。
雅容と機智を誇るわが巴里人は、
一世の皮肉屋狐主人の筆端に翻弄せられて、涙ぐましきまでの喜劇を演ずるのである。
坪内逍遥は、演劇に関する限り一個の傑れたアマチュアであつて、
一世を指導する創造的着眼を欠いてゐた。
ああ、これ先生の
一世の知識を開拓して余りありし所以なるか。
一世を風靡した自由詩にいつしか暮色が迫るのも致しかたない次第であるが、自由詩は然しながら普及したのである。
大丈夫の
一世に立つや、必らず一の抱く所なくんばあらず、然れども抱く所のもの、必らずしも見るべきの功蹟を建立するにはあらず。
高言壮語を以て
一世を籠絡するを、男児の事業と心得るものは多し、静思黙考して人間の霊職を崇うせんと企つる者は、いづくにある。
僕は室生犀星君と一しよにこの芭蕉の近代的趣味(当代の)を
一世を風靡した所以に数へてゐる。