ここは甲州の笛吹川の
上流、東山梨の釜和原という村で、戸数もいくらも無い淋しいところである。
またその堤防の草原に腰を下して眸を放てば、
上流からの水はわれに向って来り、下流の水はわれよりして出づるが如くに見えて、心持の好い眺めである。
城は、豊川の
上流なる大野川滝川の合流点に枕している。
それは兎も角も、昔の希臘では
上流人は特に香料を愛好し、毎日香油を身体にぬる風習があり、従つて希臘全盛時代に於ける香料の消費額は莫大なものであつた。
然れども
上流漸く人家多くして、亦漸く綾瀬のごとくならんとするの虞あり。
それは溪の下流にあった一軒の旅館から
上流の私の旅館まで帰って来る道であった。
二つの溪の間へ楔子のように立っている山と、前方を屏風のように塞いでいる山との間には、一つの溪をその
上流へかけて十二単衣のような山褶が交互に重なっていた。
といって潮の満干を全く感じない
上流の川の水は、言わばエメラルドの色のように、あまりに軽く、余りに薄っぺらに光りすぎる。