そして誰も彼もが自分の狹量や
不完全を感じる機會が多かつた。
巫女の腹に寓つた神子が神であり、現神——神主——であると言ふ信仰が、日本に段々発達して来てから、人間身の完全
不完全を問題とせなくなつたものか。
最も興味のあるのは我々現在の観念の萌芽が最古の最
不完全な概念形式の中に既に認められることである。
私はこのころ、真実のことを云おうとすればする程、言葉というものが如何に
不完全なものかということを感じて来ました。
第二に、「翻訳」なるものの免れ難き「
不完全さ」——殊に、「概ね正確」である以上を求められない事実、語学的翻訳と文学的翻訳との曖昧な日和見主義、即ちこれである。
その後、知識は駸々乎として長大足の進歩を示し、宇宙に関する中世紀の理念は
不完全となり、当時の包括的思索も終に信ぜられざるに至った。
但し暗夜のことであるから、
不完全の仮橋から何か粗相で墜落したのかも知れない。
また當時新羅の暦は甚だ
不完全であつたと想像せらるるに、優秀なる大衍暦が出來ても、新羅の政府は遂に之を採用せなかつた。
その藝術は幼稚なりき、
不完全なりき、されどまた僞りも飾りもなかりき。