「じゃが今は内地も
不景気でがして、屑屋も駄目じゃけん、内地さ行くなああきらめるがええ」と、彼は結んだ。
極の近代まであつた、
不景気の世なほしに、秋に再び門松を立てたり、餅を搗いたりした二度正月の風習は、笑ひ切れない人間苦の現れである。
チョッ
不景気な、病人くさいよ、眼がさめたら飛び起きるがいいわさ。
「会社の仕事が? なーに、どうだか判ったもんじゃないよ、この
不景気にゴム工場だって同じ『ふ』の字さ。
資本家は
不景気の責任を労働者に転嫁して、首切りをやる。
「そりゃ、
不景気だもの、何だって、出来ることはしなくちゃ。
「先日聴いた話ですが」と語りだした話も教師らしい生硬な語り方で、声もポソポソと
不景気だった。
鼠色の壁と、
不景気なガラス窓とに囲まれた、伽藍のような講堂には、何百人かの罹災民諸君が、雑然として、憔悴した顔を並べていた。