狭い往来の
両側にはずっと芽をふいた生垣が続き、そのまた生垣の間にはちらほら桜なども咲いています。
少女は自働車のまん中にある真鍮の柱につかまったまま、
両側の席を見まわした。
その床の間の
両側へみな、向いあって、すわっていた。
そうしてその入口の
両側には、見上げるような大書棚が、何段となく古ぼけた背皮を並べて、まるで学問の守備でもしている砦のような感を与えていた。
明い瓦斯の光に照らされた、幅の広い階段の
両側には、殆人工に近い大輪の菊の花が、三重の籬を造つてゐた。
しかし汽車が今将に隧道の口へさしかからうとしてゐる事は、暮色の中に枯草ばかり明い
両側の山腹が、間近く窓側に迫つて来たのでも、すぐに合点の行く事であつた。
その途端につき当りの風景は、忽ち
両側へ分かれるやうに、ずんずん目の前へ展開して来る。
荒廃と寂寞——どうしても元始的な、人をひざまずかせなければやまないような強い力がこの
両側の山と、その間にはさまれた谷との上に動いているような気がする。
両側に桜並み木のずっとならんだ紅葉坂は急勾配をなして海岸のほうに傾いている、そこを倉地の紺羅紗の姿が勢いよく歩いて行くのが見えた。