ご存じでもございましょう、常磐津の浄瑠璃に、
両面月姿絵、俗に葱売という、名高い曲でごさいまして、その中に、おくみという女が二人現れ、
「神武天皇へ位をさずくべき神がこの山の主で、身体が一ツで顔が二ツ、手足四ツの
両面四手という人が位山の主である。
先祖の中で自分は家系中の巨石だと信じた人は自分の善悪
両面の体験を書き遺し子孫の実力生活の参考にするがよい。
この物語の主題は、云ふまでもなく、現実と理想との相剋から生れる人生の美醜
両面を描くにあるのだが、必ずしも私はこゝで「新しい倫理」を説かうとしたのではない。
文化が健全に進むにつれて国民の生活が向上し、それによつてまた物心
両面ともに国力が増大するといふことがいへるのであります。
こゝで云ふ「生活」とは、もちろん、物心
両面の生活です。
この十二文字を、彼は、古新聞の
両面が、まっくろになるまで、手習いをするのである。
下には、鼡縮緬の引かえしを着、上には黒羽二重の
両面芥子人形の加賀紋の羽織を打ちかけ、宗伝唇茶の畳帯をしめている。
されど、実体の
両面たる物質と勢力とが構成し、仮現する千差万別・無量無限の形体にいたっては、常住なものはけっしてない。