顔にできている黒子といえば普通、鼻筋を
中心として左側にあるに決まっていて、右側にあるのは非常に稀なんだそうだ。
大きさはラムネのガラス玉を四つ五つあわせたぐらいあって、全体はうす青く、そしてまん中のところが黄色で、そのまた
中心のところが黒かった。
それも酒で体が利かないと見えて、時々はただ、
中心を失って舷から落ちるのを防ぐために、手足を動かしているとしか、思われない事がある。
精神的な苦痛のために——死の恐怖を
中心として、目まぐるしい感情の変化のために、泣き喚いていたのである。
その事件を
中心に昭和十年頃の千日前の風物誌を描こうという試みをふと空しいものに思う気持が筆を渋らせていたのだ。
私の眼の下ではこの半島の
中心の山彙からわけ出て来た二つの溪が落合っていた。
あゝ孤独よ! 彼は自ら求めて社会の外を歩みながらも、
中心実に孤独の感に堪えなかつた。
権勢摂※の家を凌ぎ、一門悉、青紫に列るの横暴を恣にせる平氏の
中心的人物としての入道相国を見たり。
そして、手際よく結ばれた玉虫色のネクタイが、此の男の調った服装の
中心を成して居た。