その時、小男が伸上るように、
丸太棒の上から覗いて、
しかしあの
丸太のような、偉大なる桜のステッキだけは、再び君の手に見られなかった。
三四郎の住居は、
丸太材を適度に配したヒュッテ風の小粋な住居で、同じように三軒並んだ右端の家であった。
——しかしその獰猛さを一番に語っていそうなのは、しなやかな
丸太棒とでもいいたいようなその四肢だった。
早く家が建てたい、建てなければならないなら、そして、柱を削つてゐる暇が無いなら、なぜ、
丸太なり、荒削りなりの柱に応はしい家を建てなかつたかと云ふ疑問が起る。
そのうちの七人は動かず、物言わず、あらけずりの
丸太の壁にむかって腰をかけていたが、部屋が狭いので、どの人もテーブルから遠く離れていなかった。
一輪車が咽ぶその反対の方向では、白楊の
丸太を喰うマッチ工場の機械鋸が骨を削るようにいがり立てた。
鏡のわくはわずかに焦げ、
丸太の端よりは怪しげなる音して湯気を吹けり。
私は外套を脱ぎすてると、ぱちぱち音をたてて燃えている
丸太のそばへ肘掛椅子をひきよせて、この家の主人たちの帰ってくるのを気長に待っていた。