心を決して父と伯父に
乞いもし許されずは出奔せん覚悟を様子にそれと悟りてか、左まで思わば出京せよと許可を得たり。
もしこの赤ペンキを綺麗に落さんと欲せば、抛げつけたる当人の許を訪ねて、ペンキ消し液を
乞いうけるに非ずんば、金輪際消えることなし。
そこで映画会社では、この上原名人に出馬を
乞い、万一の場合、一発のもとに羆を射殺して貰う手段を立てた。
そして、久我建道と相談して、そっと女房を経て、御膳の『御した』のお下げを
乞い、これを酒井に賜わった。
家康に調停を
乞い、一族の北条氏則を上洛させて弁解に努めたけれど、時機は既に遅い。
かれはその池のほとりに小さい松をうえて、松下庵と号していたのであるが、その点を
乞いに来る者も相当あって、俳諧の宗匠としては先ず人なみに暮らしていた。
それにつれて、祈祷の告知だった美しい鐘声も古めかしい時鐘となってしまい、かぼそい喜捨を
乞い歩く老ラザレフの姿を、時折り街頭に見掛けるのであった。
客はさる省の書記官に、奥村辰弥とて売出しの男、はからぬ病に公の暇を
乞い、ようやく本に復したる後の身を養わんとて、今日しもこの梅屋に来たれるなり。
デンマークは和を
乞いました、しかして敗北の賠償としてドイツ、オーストリアの二国に南部最良の二州シュレスウィヒとホルスタインを割譲しました。