夫人が急に顔を近付けると、彼女のふくよかな
乳房と真赤な襦袢との狭い隙間から、ムッと咽ぶような官能的な香気が、たち昇ってくるのだった。
ふくら脛はむちむちと張りきり、
乳房のように揺いでいた。
直ぐにむっちりと弾力のある
乳房が手に触れたが、その胸にはもう、彼を散々悩ましたあの灼けつくような熱は無く、わずかに冷めて行くほの温味しか感じられなかった。
彼の妹は不相変赤児に
乳房を含ませたまま、しとやかに僕等に挨拶した。
彼は、愛も憎みも、乃至また性欲も忘れて、この象牙の山のような、巨大な
乳房を見守った。
少し青ざめて這入ってゆくと、妻の小芳が湯あがりの化粧姿もあらわに、胸のあたり、
乳房のあたり、なまめかしい肉の肌をのぞかせながら気を失って打ち倒れているのです。
又一匹の子猿がその雌猿の
乳房を含んでゐたのを引き放した。
銀鞍の少年、玉駕の佳姫、ともに恍惚として陽の闌なる時、陽炎の帳靜なる裡に、木蓮の花一つ一つ皆
乳房の如き戀を含む。
人間生を享けて
乳房をはなれると共に茶わんに依つて食を得やうとし、二本の箸を執らうとする。