続いて、がたがたと
些と荒く出ると、拍子に掛かって、きりきりきり、きりりりり、と鳴き頻る。
おんぶするならしてくれ、で、
些と他愛がないほど、のびのびとした心地。
黒棚、御廚子、三棚の堆きは、われら町家の雛壇には
些と打上り過ぎるであろう。
われら式のぶらぶらあるき、彼岸もはやくすぎた、四月上旬の田畝路は、
些とのぼせるほど暖い。
武「実は私も親類共へ
些と遣り度いと思って提げて来たのだが、馳走に成って何も礼に遣る物がないから」
侍「なに拾両とか、
些と高いようだな、七枚半には負らんかえ」
(百兩をほどけば人をしさらせる)古川柳に對して
些と恥かしいが(特等といへば番頭座をしさり。
一臺の腕車二人の車夫は、此の茶店に留まつて、人々とともに手當をし、
些とでもあがきが着いたら、早速武生までも其日の内に引返すことにしたのである。