其為、祭儀が
交錯し、複雑になつて行つたもの、と言へる。
水平線が、きらきらと、
交錯した水車の車軸のようにみえる。
かくの如く人間の性能は、常に相
交錯して一の働きをなしてゐるものであるが、「感性」一点張の役者が、次第に、過去の芸術家となりつつある現状を見るがいい。
先づ、あの線路の
交錯は、西洋人が書いた片仮名である。
人物の心理はそのために、自然の陰翳を保つて
交錯し、生活のトオンは、世紀末的憂鬱に終始しながら、屡々微笑ましき諷刺の瞬間をのぞかせてゐる。
山系のうねりというのも、高く鋭いのには白雪が降り、いまだ雪の降らないのもあり、相
交錯したうねりであって、いわば生きているようなものである。
木の葉のさやぎも、草原の輝きも、水の湍ちも、家と家とのたゝずまひも、道の迂りも、畠や田の
交錯して居るさまも、一つ/\心にしみ/″\ととりこまれて行く。
「光と闇と
交錯していちじるき明暗や色彩を生むとき、誰か好みてその薄明の中を徨彷はざるものありや」と、若々しき心に於いて「朧」を註するものである。
この新鮮な近代的
交錯は、藤原奈良の歌人も、元禄の俳人もついに知らずにしまった佳境である。
さうなつた上で、古代生活の中に、眞の此國根生ひと、所謂高天原傳來との
交錯状態が、はつきりして來るのである。