あそこの主人は清水ってお爺さんで、何とか議員をして上面は立派な紳士なんだけれども、実は卑しい身分から成り上がった成金で、慈悲も
人情もない高利貸しなのよ。
こうなると、娘の色男に手柄をさせたいのは
人情ですから、お力は甚五郎を呼んで来て、千次と三人で打ち合わせた上で、千次は金蔵を誘ってさつきへ連れ込む。
燕枝の
人情話で、名題は『島千鳥沖津白浪』といった筈です。
そこが昔と今とは
人情の違うところで、いくら悪い奴でもお開帳の奉納物を盗むなぞという事はあるまいと油断している。
おしゃべりに似合わず、いたって
人情もろいというのがすなわちそれです。
人情としての不憫さはあるつもりなんだが、おせいを何うして見たところで僕の誇りとなる筈はない。
経には江戸三百年の風流を呑却して、万変自ら寸心に溢れ、緯には海東六十州の
人情を曲尽して、一息忽ち千載に通ず。
芭蕉の世故
人情に通じてゐたことは彼の談林時代の俳諧を一瞥すれば善い。