介在物を混えずに一本の思想をひたむきに押通している。
甲州西山は、白峰の前岳で、早川の東、富士川の西に
介在せる、五、六千尺の一帯の山脈である。
女のねたみについては、この間、柳田先生の話を引いたように、われわれ男女の間へ、他物を
介在させまいとする感情である、ということは動くまい、と言うておいた。
日本語の普通語序にあるものとして用ゐられた極めて多くの熟語に
介在して、すつかり語序の違つた、謂はゞ逆になつた語のあることである。
をとゝしの「をと」には、中に
介在するものを越した彼方を意味する「をち」と言ふ語が含まれてゐるのだ。
村の君主の血縁の女、娘・妹・叔母など言ふ類の人々が、国造と国造の神との間に
介在して、神意を聞いて、君主の為に、村及び村人の生活を保つ様々の方法を授けた。
われわれは今これらの真相を知ることはできないけれども、何れにしても、大国の間に
介在する中立国の立場といふものを考へれば、これに単純な批判も加ふべくもない。
新潟県は土地々々で非常に方言がちがい新発田あたりだけはまるで仙台弁のように鼻にかかる少地域なぞが
介在したりするが、いま書いたのは新潟市の方言だ。
他人の懐と他人の生産との間に
介在して自己の利益をのみ貪る我利商人たることを避けて、吾等をして直ちに天地の創造に参与する農産業に没頭せしめよ。
これが「不明」という知的現象に善悪の批判が
介在し得るゆえんである。