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他所へつれて出てもらうことより今の処別に何も世話はやかせませんが)それが習慣となれば随って自然にその時々のわたくしへの労力と思って呉れるでしょう。
渡御に一旦
他所に降臨して、其処から祭場に臨まれる事を示すのである。
それは姉の美佐子が、時折、
他所に泊まって来るところから出発した。
みんなが食卓のまわりを襤褸束を並べたように取り巻いて、いざ食事にかかろうとしているところへ、彼女の父親が
他所から帰ってきた。
銀座などとちがって、狭い山ノ手のカフェでは、孤独な客が
他所のテーブルを眺めたりしながら時を費すことはそう自由ではない。
ぼんやりしていて、それが
他所の子の泣声だと気がつくまで、死んだ妹の声の気持がしていた。
それだのに、
他所へ行くと、早速、盗みを働くのだった。
全体漁夫という者は、自分の漁場を大切にするから、
他所へ出て利益があるという場合にはドシドシ
他所へ出て往って漁をする。
それに
他所のことなど彼には用がなかつた——彼は自郡のことに忙殺されてゐたのだ。
魯鎮の酒場の構えは
他所と違っていずれも皆、曲尺形の大櫃台を往来へ向けて据え、櫃台の内側には絶えず湯を沸かしておき、燗酒がすぐでも間に合うようになっている。