私には深いなじみのもので、おそらく私の
体臭の一部分ともなつてゐるだらう。
その時である、私は何かしら長いこと嗅ぎなれたやうな
体臭を嗅いだ、
体臭といつてもその人の生活様式から生れる精神的のにほひで、肉体の
体臭ではない。
夕暮れ、社長室へ呼び込まれて馘首の話をきいてゐるとき、呂木は自分の
体臭から夥しいアスピリンの悪臭を嗅ぎ出した。
もともと文学は、作家にとつてはその人個人の宗教のやうなものらしいが、それはとにかくとして、私は元来なんとなく宗教的な自分の
体臭を感じることが多いのである。
すりよるヒロシの
体臭が不快であつたが、それを邪慳にするだけの潔癖もなかつた。
香水をつけるのに、自己の
体臭をかくすため、人に話しかけるため、自己の幻想をよぶためなどがあるが、その用途によつて、それぞれ選び方が違つてくる。