ところが、
停車場から市中へ足を踏み入れると、華やかな初夏の情景を備えた街々が、一歩一歩眼前に展開されていくのであった。
高貴の方の御着発の時などは、
停車場のプラットフォームで、写真師と警察との撮ろう撮らせまいの小競り合いがいつでも行われています。
保吉は物憂い三十分の後、やっとあの避暑地の
停車場へ降りた。
乗った時と同じように、こみあっている中をやっと電車から下りて
停車場へはいると、時刻が早いので、まだ級の連中は二三人しか集っていない。
本間さんはとうとう思い切って、雨が降るのに荷拵えが出来ると、俵屋の玄関から俥を駆って、制服制帽の甲斐甲斐しい姿を、七条の
停車場へ運ばせる事にした。
停車場に附属する処の二三の家屋の外人間に縁ある者は何も無い。
が、ちよつと苦笑したぎり、兎に角次の列車を待つ為に
停車場前のカツフエへはひることにした。
私はかすかな心の寛ぎを感じながら、後の窓枠へ頭をもたせて、眼の前の
停車場がずるずると後ずさりを始めるのを待つともなく待ちかまへてゐた。
予は此の
停車場へ降りたは、今夜で三回であるが、こう真暗では殆んど東西の見当も判らない。