が、一年程前に時化に会って、北海丸の沈没と共に行衛が知れなくなると、女は、僅かばかりの残された金を、直ぐに使い果して、港の酒場で
働くようになっていた。
彼は、自分の意志で
働くというよりも、女の意志によって
働く傀儡のように立ち上ると、座敷に置いてある桐の茶箪笥に手をかけた。
所が、この逆上では、登城の際、附合の諸大名、座席同列の旗本仲間へ、どんな無礼を
働くか知れたものではない。
それは岡っ引の半七が自分の縄張りの神田以外に踏み出して
働くことである。
血まみれになって
働く穢さよりも、あの無邪気な生き物を殺すのが厭だった。
それだのに、他所へ行くと、早速、盗みを
働くのだった。
色の淺黒い、輪廓の正しい立派な男、酒を飮めば必ず歌ふ、飮ざるも亦た唄ひながら
働くといふ至極元氣の可い男であつた。
他人の意志の下に
働くということは無論どうあっても出来ない。
色の浅黒い、輪郭の正しい立派な男、酒を飲めば必ず歌う、飲まざるもまた歌いながら
働くという至極元気のよい男であった。