夫故に子弟たち若い者を戒めて
兎角に学校の教課書以外の書物を読んではならぬと厳重に叱りつけて、読書するのを酒を飲んだり女に耽つたりするのと同様の悪事と心得てる。
兎角するうち、風さつと吹き来り、今まで知らざりしが、何時か空いとくろうなりぬ。
あたりが暗くて静かな時には、
兎角重くろしい感じが起るものである。
或日「ろおれんぞ」を召されて、白ひげを噛みながら、「その方、傘張の娘と
兎角の噂ある由を聞いたが、よもやまことではあるまい。
もう、死んだんが本統であったんやも知れんけど、
兎角、勇気のないもんがこない目に会うて」と、左の肩を振って見せたが、腕がないので、袖がただぶらりと垂れていた。
併し此代稽古の男は
兎角自分に出鱈目を教える男だったから、それに罵られたのが残念で残念で堪らなかった為め忘れずに居ります。
「
兎角夏向きになりますと、得て然う云ふ蟲が湧くでえすな。
兎角は一押、と何處までもついて行くと、其の艷なのが莞爾して、馭者には知らさず、眞白な手を青い袖口、ひらりと招いて莞爾した。