単に大和の国で、私は郡も町の名も知らない、古宿の破れ二階に、独り旅の疲れた躯を据えていた、道中の様々な刺戟に頭は重くて滅
入り込むよう、草鞋の紐の痕で足が痛む。
夜になると、蚊帳のなかへも
入り込む、蚊帳の上にも飛びあがるというのでそれを駆逐する方法に苦しんだ。
かくしてダンテの地獄の扉銘が同一の力を以つて結婚に応用される『此処に
入り込む汝等は全ての希望を後に見棄つ。
鶏が
入り込むと、どゞいつ・端唄の情歌色彩を帯びて来るものであるが、其がないのは、時代である。
彼は博奕場へ
入り込むようになってから、ある浪人者に就いて一心不乱に剣術を習った。
隠密であるから、もちろん武士の姿で
入り込むことは出来ない。
勿論、侍の姿で
入り込むわけには行きませんから、いざという時には何に化けるか、どの人もふだんから考えているんです。
墨をすり紙をひろげて視線を一点に集めて姿勢を正せば、無念無想、そこにはなんらの雑念も
入り込む余地はない。
俗卑と凡雑と低吝とのいやしくもこれに
入り込むことを拒み、その想いを偉いならしめ、その夢を清からしめよ。