店へ来る客は十人十いろだが、全体に就ては
共通するものがあった。
その婦人は電車の発着に従って人は変るけれど、其の美しさと、何となく物淋しそうな横顔については、どの女性についても
共通なのであった。
この頃の子供はすべての野蛮人に
共通しているように、言に怯にして行に勇なるものであった。
猶太人などと
共通の顔貌をした者が幾らもいるなどと思ったのであった。
田代君はあらゆる蒐集家に
共通な矜誇の微笑を浮べながら、卓子の上の麻利耶観音と私の顔とを見比べて、もう一度こう繰返した。
自分の逃げ場所を、こんなものに求めるところは、父と私のたった一つの
共通した点でありました。
東京人、坊ちやん、詩人、本好き——それ等の点も僕と
共通してゐる。
それが互に文学と云ふ
共通の話題が出来てからは、愈親しみが増したやうであつた。
その間にこれらの各集団は、その
共通起原の伝習も痕跡も失って、各々違った言語や風習や宗教を持つようになり、まったく異なった種族を形づくってしまった。
かくて魚住氏のいわゆる
共通の怨敵が実際において存在しないことは明らかになった。