そして、その
冷たい靄ははるかの遠方から押し寄せてくる暖かいものを、そこで食い止めていた。
不意に何か吾輩の食指の中央にポタリと落ちた
冷たいものがある。
冷たい籐の畳の上へ細長い板を桝形に敷渡し、これが食台になっている。
お蓮は酒臭い夜着の襟に、
冷たい頬を埋めながら、じっとその響に聞き入っていた。
旧暦の八月なかばで、朝夕はめっきりと涼しくなったが、きょうは袂涼しいのを通り越して、単衣の襟が薄ら寒いほど
冷たい風がながれて来た。
建て付けの悪い肱掛け窓の戸を洩れて、
冷たい夜風が枕もとの破れた行燈の灯をちろちろと揺らめかせている。
——しかし、二十四日とあらば、寒い
冷たいの不服はいっていられないのです。
ここも紫檀の椅子机が、清らかに並べてありながら、
冷たい埃の臭いがする、——やはり荒廃の気が鋪甎の上に、漂っているとでも言いそうなのです。
杉の梢が日を遮り、この径にはいつも
冷たい湿っぽさがあった。