冷気次第に相増し候へ共、弥御安全可被成目出度奉存候。
山間の
冷気は夜松浦川の渓を襲ひ、飽くまで醸しなされたる狭霧は恰も護摩壇の煙のごとし。
その日も土蔵へ這入ると、お町は行成刃物か何かでスイと首筋を撫でられたやうな、鋭い
冷気を感じた。
何となく心臓の動悸も不整だな、と思いながらも、肌にひろがる午前の
冷気に追われて、ザブンと一思いに身を沈めた。
窓の外は真暗で、陰鬱な
冷気がヒシヒシと、薄い窓硝子をとおして、忍びこんでくるのが感じられた。
その
冷気の流れに打たれたら最後、葉は色つやをなくして、縮みあがってしおれてしまうのでした。
私が目ざしてゆくのは杉林の間からいつも氷室から来るような
冷気が径へ通っているところだった。