大佐に別れた保吉は喫煙室へ顔を
出さずに、誰も人のいない教官室へ帰った。
「和田の乗ったのは白い木馬、僕の乗ったのは赤い木馬なんだが、楽隊と一しょにまわり
出された時には、どうなる事かと思ったね。
が、何もし
出さない内に、おぎん一人を残したまま、二人とも故人になってしまった。
今この下人が、永年、使われていた主人から、暇を
出されたのも、実はこの衰微の小さな余波にほかならない。
今この下人が、永年、使はれてゐた主人から、暇を
出されたのも、この衰微の小さな餘波に外ならない。
立ちながら三人で、近々
出さうとしてゐる同人雑誌『新思潮』の話をした。
ところがお茶を
出さうとすると、丸佐の主人は大声で、「そりやあいけません。
爾来予の明子に対する愛は益烈しきを加へ、念々に彼女を想ひて、殆学を廃するに至りしも、予の小心なる、遂に一語の予が衷心を吐露す可きものを
出さず。
ぼくが大きな声を出すか
出さないかに、おかあさんが寝巻きのままで飛び出して来た。
もっとも、さっき甲板ではちょいと姿を見かけたが、その後、君の船室へもサロンへも顔を
出さなかったので、僕はもう帰ったのかと思っていた。