怪談の種類も色々あって、理由のある怪談と、理由のない怪談とに
別けてみよう、理由のあるというのは、例えば、因縁談、怨霊などという方で。
先頃キネマ倶楽部で上場されたチェーラル・シンワーラーの「ジャンダーク」は大評判の大写真で、
別けてもその火刑の場は凄惨を極めて、近来の傑作たる場面であった。
夏目漱石さんはあらゆる方面の感覚にデリケートだったのは事実だろうが、
別けても色に対する感覚は特にそうだったと思う。
いつも物憂そうな彼ではあったがこの日は
別けても物憂そうであった。
わたしの母も彼等の家族の繁栄を喜び、生れて乳離れがしたら、二匹
別けて貰ってこちらの窓下で飼ってみようと言った。