酒をのむにしても、一升以上、煙草を喫えば、一日に
刺戟の強い巻煙草の箱を三つ四つも明けるという風で、凡て、徹底的に嗜好物などにも耽れて行くという方でした。
刺戟の強い色を競った、夥多の看板の中にも、そのくらい目を引いたのは無かったと思う。
其と言ふのが、
刺戟のない宮廷生活に馴れた男女の官吏たちは、恋愛以外には、すべての感覚の窓を閉した様な暮しをつゞけて居た。
古い小さい緑玉は水晶の函に入れて
刺戟の鋭い洋酒やハシツシユの罎のうしろにそつと秘蔵して置くべきものだ。
そのまた嗅覚の
刺戟なるものも都会に住んでいる悲しさには悪臭と呼ばれる匂ばかりである。
ただ、咄嗟の際にも私の神経を
刺戟したのは、彼の左の手の指が一本欠けている事だった。
勿論この怖れは、一方絶えず、外界の
刺戟から来るいら立たしさに、かき消された。
最後に自分は、常に自分を
刺戟し鼓舞してくれる「新思潮」の同人に対して、改めて感謝の意を表したいと思う。
秀才だつた義兄の言に信頼し過ぎて、卒業後の大切な數月を
刺戟のない田舍で勉強しようとしたのが間違だつた。