科学に対して理解を欠き、科学の
功の大ならざるを見る時は、忽ちに軽侮漫罵の念を生ずるのは、口惜しい悪風である。
この川舟楫の利便は具へざれども、滝の川村金剛寺の下を流れて後、王子の抄紙場のために幾許かの
功を為して荒川に入るなり。
北畠親房は『神皇正統記』に於て、武家の恩賞を論じて「天の
功を盗みて、おのが
功と思へり」と言って居る。
卒然として事を做して赫然として
功有らんことを欲するは、卑き男の痴たる望みならずや。
事敗れて之を吾が徳の足らざるに帰し、
功成って之を数の定まる有るに委ねなば、其人偽らずして真、其器小ならずして偉なりというべし。
功成り遂げてからといふならまだしも、坂田将棋の真価を発揮するのはこれからといふ時であつた。
しかし芭蕉の俳諧は度たびこの翻訳に近い冒険に
功を奏してゐるのである。
實際支那の塞外の北狄などは、たとひ之を撃破した所が、得る所失ふ所に及ばず、
功は勞を償はぬ憾がある。
「空払ふ月の光におひにけり走りちりぬるゐのこ雲かな」とよめる歌は、おもしろしとも思へねど、ゐのこ雲といふ名を伝へたる
功は此歌にあるべきにや。
未だ新声の美を味ひ
功を収めざるに先ちて、早くその弊竇に戦慄するものは誰ぞ。