しかし迫害が烈しいだけに、「万事にかない給うおん主」も、その頃は一層この国の宗徒に、あらたかな御加護を
加えられたらしい。
なお喜左衛門の忠直なるに感じ給い、御帰城の後は新地百石に御召し出しの上、組外れに御差
加えに相成り、御鷹部屋御用掛に被成給いしとぞ。
僕の「点鬼簿」に
加えたいのは勿論この姉のことではない。
尾生は水際から歩をめぐらせて、今度は広くもない洲の上を、あちらこちらと歩きながら、おもむろに暮色を
加えて行く、あたりの静かさに耳を傾けた。
その上顔は美しい牙彫で、しかも唇には珊瑚のような一点の朱まで
加えてある。
それとも別に好む所があって、故意こんな誇張を
加えたのであろうか。
彼は、ゴルゴタへひかれて行くクリストが、彼の家の戸口に立止って、暫く息を入れようとした時、無情にも罵詈を浴せかけた上で、散々打擲を
加えさえした。
恐らく未完成の作をも
加えたら、この集に入れたものの二倍には、上っていた事であろう。
この書は雑誌『思想』第九十二号および第九十三号(昭和五年一月号および二月号)所載の論文に修補を
加えたものである。
ところで、このいろんな点において分別のある人物、イワン・ヤーコウレヴィッチについて、これまで何の説明も
加えなかったことは、いささか相済まない次第である。