西班牙の探検者たちが、
加州にシエラ・ネヴァダ山脈を見つけたよりも、三世紀も遅れている。
加州金沢市古寺町に両隣無き一宇の大廈は、松山某が、英、漢、数学の塾舎となれり。
つまり、彼は、
加州百万石が金無垢の煙管になって、どこへでも、持って行けるのが、得意だった——と云っても差支えない。
本郷の
加州家といや加賀百万石のあのお屋敷にちげえねえが、その裏門の人はなんですかい、人は! だれがそんなところへ寝かしたんですかい」
何しろ徳川家の御瓦解以来、御用金を下げて下すつたのは
加州様ばかりでございます。
元治元年十一月二十六日、京都守護の任に当つてゐた、
加州家の同勢は、折からの長州征伐に加はる為、国家老の長大隅守を大将にして、大阪の安治川口から、船を出した。
三百尺の高さだと誇る
加州大学のベルタワーなんか、どこにあるやらわからない。
○新小説へ書いた「煙管」の材料も、
加州藩の古老に聞いた話を、やはり少し変えて使った。
むかしは
加州山中の温泉宿に、住居の大圍爐裡に、灰の中から、笠のかこみ一尺ばかりの眞黒な茸が三本づゝ、續けて五日も生えた、と言ふのが、手近な三州奇談に出て居る。