と訴ふるが如く呟きたれど、耳にもかけざる状し
たりき。
其父宗広は建武中興に与つて大いに功ありて、勤王に始終し
たりき。
しかもその謹厳なる事は一言一行の末にも及び
たりき。
さてはいかなる医学士も、驚破という場合に望みては、さすがに懸念のなからんやと、予は同情を表し
たりき。
その聴き去るに難き美しさは、この一書を綴るの労を厭わぬほどにして、正に宝積経や源信僧都の往生要集の如きは、到底比すべくも非ずと思い
たりき。
昔封建時代の武士は、米を作るは百姓の天職なりと言い
たりき。
一言すれば、彼等は武士たるの実力をすてて、武士たるの虚名を擁し
たりき。
予は既に、歳月の久しき、嗜好の屡※變じ、文致の畫一なり難きを憾み、又筆を擱くことの頻にして、興に乘じて揮瀉すること能はざるを惜み
たりき。
嘗て一評家は露國に於ける革命運動頓坐以後のサーニズム全盛を以て他岸の火事に非ざるを警告し
たりき。