汝れ
化物、再び姿を現わさば真二つと、刀の柄に手をかけて霎時の間、闇き水中を睨み詰めていたが、ただ渦巻落つる水の音のみで、その後は更に音の沙汰もない。
ふと、喜平次が夜半に目を覚ますと、自分の傍に寝て居るのは、美人どころか異形の
化物だったので、ヒャッと言って飛び出すと
化物が跡を追って来る。
この懐しい世界が、あの
化物のように正体の判らないラジオなんぞにつかってしまうと聞いては、生きているのが苦しい。
考証家、穿鑿家、古文書いじり、紙魚の
化物と続西遊記に罵られているような然様いう者の真似もしたくない。
こんな高い山の頂きにいると空の
化物に攫われてしまいそうな気がしてくる」
夜などに此の塔を見ると、大きな
化物の立った様に見え、爾して其の時計が丁度「一つ目」の様に輝いて居る。
——あなたにお貸しした
化物の本のなかに、こんな絵があったのを御存じですか。